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本を高く売ろう! 2002.1.9〜
3.1作成
このシリーズは、2002.1.9〜2002.
3.1の約2ヶ月の間、トップページに連載したものをまとめたものです。
これからしばらく、「本を高く売るためには」というテーマで雑感を述べていきますが、まず初めにその前提を書いておきます。
基本的に、古本屋へ持ち込んでの買い取りを中心に書きますが、内容はあくまで当店の過去の経験からのもので、他店にもあてはまるわけではありません。
古書店には各々特徴があり、特に大型古書店などとは異なる部分も多いと思いますので、あくまで当店の個人的見解いうことになります。それを前提としてお付き合いください。
もし、買い取りに関して疑問に思っていることや、不満、知りたいことなどでもあれば、メールなり掲示板なりでお聞かせいただけたらありがたいです。できるだけお答えしてまいります。
それでは、次回から中身に入っていきましょう。
本を高く売ろうとする場合には、まず、少しでも「高く売ろう」という意志がなければなりません。
お金を稼ぐということは、何かを工夫したり努力することが大切です。
本を売る場合でも同様です。
今すぐに蔵書を整理したいから、ただ乱暴に袋に詰めて持っていく、となれば安く査定されても仕方ありません。
もちろん、お金よりも
「早く整理したいんだ。」という場合もあるでしょう。それはそれで目的次第ですから結構なことです。
でも同じ手持ちの本が、工夫次第で値段が変わることもあり得るのだったらどうでしょうか?
そのことをまず念頭におくことが必要でしょう。
それでは具体的にどうしたらいいか、続きはまた次回・・
「買い取りのマニュアル」などというものが、あろうがなかろうが、査定をするのは人間です。人である以上、間違いもするでしょうし感情もあります。
であれば、同じミスをするのであれば高いほうにミスさせてはいかがでしょうか?
いい印象があればできるだけ高く査定したいのが人情です。
ただし、ここでいう印象とは、人柄とかそういう人間的なものではありません。
本の印象をよくするのです。
別に会話をする必要もないし、愛想よくする必要もないのです。
持ってこられた本を見た瞬間に、これは高い査定だ、安い査定だという印象を自然に持ちますので、これをできるだけプラス側にしてやるのです。
では、どうすれば本の印象がよくなるのか、は次回・・
たとえば、本を売りに来られた場合、ゴミ袋にバラバラに詰め込んだものを渡されたりするとどうでしょう。
こちらは、ああ、これは捨てるつもりなんだな、と思ってしまいます。
だったらタダ同様でもいいのかな、なんて。 ・・思ったり思わなかったり・・
実際に値段に影響するかどうかは別にしても、第一印象で、これでは損です。
逆にきちんと並べられて順番なんかもそろっていると、査定もしやすいし印象もよくなります。
何でもないことですが、ただそれだけで、
-
この人は本も丁寧に取り扱われているのだろう…
-
だったら汚れなんかも少ないかもしれないな…
-
折れとか、シワも、たぶんないな…
などと自然に連想しがちです。
量にもよりますが、1冊づつ時間をかけて見るのは難しいことですし、見た目の印象もひとつの要素であることは間違いないでしょう。
それで実は失敗談もあります・・
失敗談の話です。
一度、ある店で本を売る経験をされると、定期的に持ってこられるようになるお客様が多くいらっしゃいます。
そうなると、当然小さな店ではお客様の顔も覚えてくるわけで、顔を見れば、「あ、いつもきれいな本を持ってこられるお客様だ。」なんていう先入観をもつ場合があります。
そうすると、あまり中身まではよく見ずに高い査定をしてしまい、後日、包装するときに、「ゲッ!しみが・・」などということが一度ならず何度もあります。
きれいな本ということではなくても、いつもそろえて持ってこられる、などでも同様に"だろう"という見なし査定をすることがあります。
ある程度は、いつもお世話になっているということで意識的に甘めにすることもありますが・・
つまり、いい印象があると高めに間違いやすくなる傾向があるということを言いたかったのです。
ところで、買い取りのときに、こんなことは言わないほうがいいのに、と思う不必要な言葉があります。
その言葉とは・・ (次回へ続く)
買い取りのとき、言わなくてもいいのになあ・・と思う言葉があります。
ひとつは持ってきた本のアピール。
「一度しか読んでいませんよ。」
「全部きれいな本ばかりですから。」
「買ったばかりの新品なんです。」
気持ちはわかりますが、その本がどんな本であったかというのは問題ではないのです。
今、目の前にある本を店がどう判断するか、だけなんです。
「きれい」という基準は個人差がありますし、実際「きれい」と言われて並下レベルだったというのも何度も経験あります。そうなると、逆効果にもなりかねません。
言葉よりも、本が語ってくれるのです。
それともうひとつは処分したいとき。
「捨てようと思ったけど、もったいないから。」
「捨てるよりましだから。」
多いんですよね、この手の言葉も・・ 経験ありませんか?
さらに続きます。
本の処分に困ったときに古本屋へ持っていくのはひとつの手段です。
でも、それが捨てる場所の代わりというのはいただけません。
「タダでもいいから誰かもらってくれる人はいませんかねえ。」
「お金はいらんから引き取ってよ。」
一見ありがたいようですが、商売になるような本でしたらお金は喜んで払います。
そうでない本は、こちらも有料で処分しなければなりませんし、それまでの手間、在庫スペースの圧迫などもけっこう大変なんです。
初めから古本屋をゴミ処分代わりに使うような言葉は禁句です。
本を買い取ってもらえるかどうか不安であれば、「この本買取りできますか?」だけで充分だと思います。
そうすると、通常は査定外のものを含んでいても、「こちらで処分しておきましょうか?」となるのです。
古本屋は、売れそうな本を相応の価格で買い取れたときが一番うれしいのです。
・・・ちょっと話がそれてきました。 ぐちになり始めてきました。
高く売る方法に戻しましょう。
本を高く売る、といっても、さて、元々古本というのはいったいいくらぐらいで売れるのだろうか?という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
また、1割、2割高くなってもしょうがないよ!と思われる方もおられるでしょう。
幅が広くなかなか難しいテーマですが、元の値段が想像もつかないのでは高く売るといってもピンとこないでしょうから簡単に触れておきます。
ひとつ例をあげてみましょう。
たとえば、よく知られているところで、乙武洋匡さんが書いた「五体不満足」という本があります。
この本を古本屋へ持っていくとしたら、いくらで買い取ってもらえるでしょうか。
この本の定価は1,600円で1998年に発行されています。
さて、いくらになると思われますか?
定価の半値くらい? 3割くらい? 100円くらい?
今現在であれば、買取り価格が「10円」という店もあるかもしれません。
「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」という声が聞こえてきそうですが・・
当店の場合、今は50円〜100円程度・・でしょうか。
もちろん本の状態 (いたみぐあい等)
にもよりますが。
高いところでは、300円くらいで買い取るところがあるでしょうか?
いったいどうしてそんなに違うのでしょうか?
本の買取り価格の違いについてですが、これはひとつにその店の在庫状況が大きく影響してきます。
同じ本がたくさん在庫あり、なおかつその本が売れていない、となると、できればその本の買取りは抑えたいところです。
そこで「当分売れることがない」と判断されたら買取り価格は「10円」となったりするのです。
逆に、その本の種類がよく売れる店で売れ切れ状態だったとしたら、少々高めでも買取るでしょう。
でも、10円で買い取られる本は、たいていは売値が100円など安い設定が多いと思いますので、そうなると他店も追従せざるを得なくなり、結局は平均化してくるようですけど。
前回記述の「五体不満足」では、当店の場合はまだ売値を500円としていますので、100円で買い取っても利益がでることになります。
ですが、それはあくまでも売れたら、の話で、これもそろそろ売れなれれば一気に売値とともに買取り価格も下がる運命にあります。
このように、古本は売値も買値も状況に応じて変化します。
あまり、期待をしていると、ショックを受けることになりますので・・
「五体不満足」の例でも示したように、同じ本であっても買取り価格は店によって大きく異なることがあります。
つまり、「売るタイミング」と「売る店」によって数割はおろか、数倍値段が違うこともあり得るということを記憶しておいて損はありません。
1冊だけならともかく、数十冊、数百冊にもなれば・・
やはり、ちょっとした知識があるのとないのでは、かなり大きな金額差になってくることもあるでしょう。
この項の締めくくりとして、かなりおおざっばに買取り価格を言うならば、一部高価買取り商品を除けば、定価の1割以下を基準に想定してもいいかもしれません。
そこから高くなるか安くなるか、といったところが多いと思います。
ただし、本の種類とうにってもかなり基準が異なりますので念のため。
さて、いよいよ次回から高く売るための実戦テクニックを少し書いてみましょう。
さて、古本屋に本を持ち込む場合、家にある本を何でも詰め込んでいくことも悪くはないのですが、高く売ろうとするならば、ランダムに混在させるのはあまり得策とはいえません。
持っていく前に少し選別してみてはいかがでしょうか。
選別には、本の状態で分ける方法と、本の内容で分ける方法とがあります。
まず、本の状態で分けるということ。
たとえば、かなり状態が悪い本がたくさんある中に、最近発売されて間もないきれいな本が1冊あったとしても、そのまま悪い本と同一に計算されてしまうこともあります。
通常、店頭での買取り計算はできるだけスピーディーに行います。
仮に100冊以上にもなってくれば、すべての状態を中身まで確認しながら計算するのはほぼ不可能です。1冊10秒で見ていったとしても100冊で約17分もかかるのです。
そんなにお客様をお待たせしたくはできません。
ですから、最悪でも、きれいな本と悪い本とははっきり分けたほうが望ましいです。欲を言えば、別々に持っていったほうがなおいいでしょう。
※
「本の状態が悪い」というのは、日焼け、しみ、傷みなど劣化が目立つ状態のものです。
売る本を、本の種類で選別する場合です。
種類というよりも同じシリーズをそろえると言った方がいいでしょうか。
古本屋へ持ち込む時に、家にある本を一度にすべて持ち出すことはなかなか難しいことだと思います。目についた本を適当に袋に詰めて、何度かに分けて持っていくことも多いかもしれません。
そのときに、そろっているはずのシリーズ物があれば、面倒でもそろえていくことをお勧めします。同じシリーズ、特に連続物などはバラバラの巻数になれば、まず「安くなる」確立が高くなります。
たとえば10巻で完結のシリーズを持っていたとすると、これをバラバラに数冊づつ2回に分けて売るのはもったいない話です。古本屋としては、そろっている、いないとでは、売り方、売れ方が大きく変わってきます。
そうなると、当然買取り価格に差がついてきたとしても不思議ではありません。
最近ではどうかわかりませんが、以前はセットでないと買取りしないという店もあったように聞いたこともあるくらいです。
少しの手間で、もらえるお金が変わるとしたら、やってみる価値はあるでしょう。
そうしてそろえた本を古本屋へ持ち込むときにも、今度は持ち込み方のテクニックがまたあるのです。 次回・・
さて、売る本を選んだらいよいよ古本屋へ持って行くわけですが、どのくらいの量を持っていけばよいのでしょう? もちろん整理した本を一度に全部持っていくほうが、まとまった金額にはなるかもしれません。ところが・・です。
たとえば300冊の本を1度に持っていくのと、100冊づつ分けて3回持っていくのでは金額が変わることがあるのです。 というよりも、まず同じ金額になることのほうがまれでしょう。
機械で計算するわけではないし、人の目で見て査定するわけですから微妙に変わることは仕方が無いことかもしれません。(査定する人によっても違いが現れることがあります。)
ここで問題なのが、どちらが得かということです。
結論から言いますと、すぐに手放す必要がなければ、何度か小分けにして持っていったほうがいいでしょう。 一度の量としては、紙袋ふたつ、50〜60冊以内くらいが正確に計算しやすい量でしょうか。量が増えれば、どうしても単価が下がる傾向になります。
段ボール5、6箱ともなると、その場で計算する場合、タイトルと外観などから大ざっぱな計算となります。
それと、値段が安いと思っても、量が多ければなかなかまた持って帰るということも大変でしょうから足元を見られかねません。
少ない量の場合は1冊からでも問題ありません。
この項は間違って削除してしまいました・・・無念
本なら何でも売れる、というわけでもありません。
この際、と思って手当たり次第持っていっても、買い取ってもらえないものもあります。いったい何が売れるのか、というより何が売れないのでしょうか?
破れ、カバーなし、など本自体に問題がある場合は売り物にならないため金額にはなりませんが、本の種類によっても買取り不可というものがあります。
店によって取り扱い商品が違うことがありますので一般論になりますが、通常、買取りできないものは、参考書などの学習書、分厚い百科事典など全集物、数年前の雑誌、などでしょうか。
これらは持っていく場合は事前に問い合わせたほうがいいでしょう。
それと、買うけれど安い、というのがハードカバーなど古い新書版の読み物や実用書、専門書。文庫本でも赤川次郎、西村京太郎、など人気作家の古いもの。これらは一山いくら、か買取りお断りかもしれません。
経済本などもいまごろ「1999年の経済予想!」なんて本があってもなど買う人は少ないでしょう。
捨てるのに困っているから、処分してくれればありがたい、あわよくばお金になれば・・・ と考える方は多いでしょうが、それは困りものです。丁重に「どうぞお持ち帰りください。」ということになるかもしれません。(大型店などでは処分しますというPR文を見た記憶もありますが。)
何度もいいますが、悪い本が入っていると、全体が引っ張られて安くなることがありますので、できれば排除しておいたほうが結果的に高くなる可能性もあります。
ただし、雑誌などは逆に古くなれば値が上がるものもあったりして、なかなか不可思議な世界でもあることが言えるようです。
そろそろまとめに入っていきますが、結局のところ、高く買い取ってもらえるのは買い手がほしいときにほしい本を持っていったときです。
当たり前だと言われそうですが、ふつう売るときにはそんなことは考えていないでしょう。
ほしい本というのは簡単に言うと売れる本です。売れる本というのは今人気がある本です。みんなが読みたい、と思っている本です。
つまり、今読みたい、ほしい、と思う本というのは、手放したくない本です。そのような本はなかなか古本屋には入ってこない。だから高く買い取るということになるのです。
逆にちょっと飽きてきたと思ったら、他の人も同じと思ってください。
もういいや、と思って売りに行けば一気に集まりだしますので急に値が下がります。それは極端なものです。
あなたがまだ売りたくない、と思う時が一番高く売れる時期なのです。
そうわかっても簡単には手放せないから高いのです。
また、本の種類に関係なくても売るタイミングはあります。通常、3月、12月は買取りが多い月ですからできれば控えたほうが懸命です。
あまり入ってくると、少し抑えたいという気持ちが働きます。そうなると当然値段にも跳ね返ってくることもあり得るのです。
高く売るなら8月などの夏場が狙い目です。たぶん。
さて、いよいよあと1〜2回で終了させたいと思います。
もう少しお付き合いください。
どこで本を売るか、ですが、古本屋なら「どこで売ってもたいして変わらない」、ってことはありません。かなり違います。
マンガ主体の店に、価値ある古書を持ち込んでもタダ同然ということもありますし、書物、資料などを集めている古書店にマンガを持っていっても買ってもらえないことだってあります。
古本屋にも得手、不得手があります。
初めて売るなら、一度その店を見てからがいいでしょう。売ろうとしている本の種類がたくさん置いてある店のほうがいいに越したことはありません。
また、店の人となじみになれば、いろいろな情報も聞けるかもしれません。できれば仲良くなれたほうが得策ですが・・
古本屋のおじさんは、見た目にはとっつきにくいかもしれませんが、思い切って話をしてみると印象が違うかもしれませんよ。
さて、このシリーズも、いよいよ次回で終わりとします。
初めての試みでしたがいかがでしたでしょうか?まだ書きたいことも残ってはいますが、ここらで区切りをつけたいと思います。
それでは、次回最終回へ・・
この買取りシリーズは、もともと1ヶ月程度で考えていたのですが、2ヶ月近くも続けてしまいました。まだネットでの買取りやら言いたいこともありますが、今回で最終回といたします。
ここ数年で古本のチェーン店などたくさん増えました。残念ながら小規模の個人店は減少していますが、売るほうからすると、店を選べるし売りやすくなっているはずです。
今はまだ売り手市場です。どうぞ、せっかく本を売るのでしたら、高く売ってください。
古本屋も、高く買い取るということは、それだけの価値を見出しているということですからありがたいことなんです。
でも、だからといって値段の交渉ばかりやっていたらだめです。
「だったらよそへ行ってくんな!」ということになっても困りますし。
いろいろ書いてきましたが、結局一番いいのは本を丁寧に扱うことが高く売る最上の方法かもしれません。
また、機会があれば何か書いて見たいと思います。
どうもありがとうございました。
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